不動産営業を10年やってきて、保証会社の審査を通すというのは非常に重要な仕事の一つです。
その人の属性や状況を聞いて、通らない保証会社の物件を紹介しても意味がないからですね。物件は気に入った→審査通らなかった。となる為です。またこの審査通らなかったとなれば、また新しい物件を探して下さいとなる事も少ない訳です。 そういった責任も込めて部屋探しを任せられてるという事です。
また通るかどうかの人を通る所もまで持っていくのも不動産の賃貸営業の仕事の一つです。
何百人と審査の見てきた私が保証会社の審査について記事にしました。またこの内容は憶測や不確かな部分もありますが、実際に各保証会社の担当営業に聞いた確かな情報もあります。
保証会社は大きく分けると3種類しかない
保証会社って小さいのも合わせると 全国に100社以上あります。そして数年前に登録制度を設けました。→登録家賃債務保証業者一覧
ま、、今の所、登録しててもしてなくて保証会社は出来るみたいなのであんまり意味を成してないんですけどね。(営業マン談)
こんだけ数がある保証会社ですが、審査基準的にみても3種類しかないと言えます。
独立系の保証会社
上記で保証会社 100社以上あると書きましたが、そのほとんどが独立系と言えます。何処とも情報共有をせしておらず、独立して審査基準を持っている保証会社という事になります。
代表的な独立系保証会社
日本セーフティ
CASA
日本賃貸保証
フォーシーズ
オーロラ
ナップ
ハウスリーブ
書き出すときりがないので代表的な所です。
全国規模で保証会社を展開している日本セーフティなんかもこの部類ですね。
独立系保証会社の審査基準とは?
独立系保証会社の審査基準に関してはめちゃくちゃ分かりやすいです。
もう自社の情報しか参照しません。参照できません。
日本セーフティを例に出すと 過去に日本セーフティをつかった事がなければ、審査は承認となるケースがほとんどです。否決にする材料や理由がありません。独立系の保証会社は基本的に通ります。普通に仕事をしていれば、保証人が居ようがいまいが、過去に同じ会社で滞納履歴などがない限りは問題なく、通ります。なので、この辺の保証会社は下記のLICC系や信販系保証会社のすべり止めとして採用されている事が多い訳です。
独立系でもさらに細分化?
独立系の中には 正規の独立と何でも有りの独立があります。私が勝手にそう呼んでいます。笑
正規の独立とはある程度、審査をしていて、生活保護×保証人無し、無職×保証人無し。みたいなものは否決を出してきます。普通に考えれば今から部屋かりようとしているのに収入源もなければ保証人になってくれる人もいない。っていう状態では厳しいですよね。
でもそんな人でも拾うのが 何でも有りの独立系です。 大きい保証会社ではなく、割と地域密着型の所が多いですが、審査をかければまず間違いなく通る。という保証会社です。どんな状態でもOK!本人確認書類があればOKみたいな感じですね。不動産屋的には非常に助かる保証会社です。こういった保証会社は回収を得意としているという部分もありますが、保証内容が薄い傾向があったり倒産のリスクがあったりするので、使うのを嫌がる所もあります。
独立系の保証会社が落ちる人はこんな人
端的に書くと、同じ保証会社で滞納歴がある人です。更新料を払っていない。というのも非承認の自由になります。ちなみに保証会社はいきなり否決回答っていうのはあまりなくて、基本的には通すために材料を提供してくれます。
他に収入として申告できそうなものはあるか?保証人を追加できるか?名刺なんかはあるか?貯金残高の提出は可能か?
など、承認を出すために回答を一度くれます。 と、いう事はいきなり「否決」となる場合はよっぽどなんですよね。
LICC系の保証会社
一部の保証会社LICC 通称リック と呼ばれる協会を作っています。このLICCという協会は申込の情報共有、家賃滞納情報、契約の有無などを共有しています。
会員は、個人による居住用賃貸住宅の賃借を保証したとき、次の情報を登録します。
氏名、生年月日、旧住所、電話番号、免許証番号等の個人特定番号、
保証対象物件名・部屋番号、保証対象物件住所、保証開始日、月額賃料、
保証終了日、入金額、代位弁済残高など
情報の登録期間は保証委託契約の終了から5年間(滞納があった場合は債務が消滅して5年間)です。
(LICCのサイトより抜粋)
なので、LICC系の保証会社の審査を受ける時は、情報共有するけどいい?みたいな個人情報の同意書を書かされます。ほとんどの人が見ずにサインしているとは思いますが。笑
ちなみに2019年9月現在の会員はこちらです。
LICC会員
アーク株式会社
株式会社アルファー
エルズサポート株式会社
株式会社 近畿保証サービス
興和アシスト株式会社
ジェイリース株式会社
全保連 株式会社
賃貸保証サービス株式会社
ニッポンインシュア株式会社
ホームネット株式会社
株式会社 ランドインシュア
株式会社 ルームバンクインシュア
今全国シェアNO1と言ってもいい 全保連と筆頭に上記のような会社が会員になっている訳です。12社ですね。
LICC系保証会社の審査基準とは?
LICCの保証会社 上記の会員12社で情報共有を行っています。情報共有を行っている為 審査のきつさもある程度一緒ということが言えますよね。独立系もよりもややキツイ傾向にあると思います。保証人が居れば大抵問題なく承認なのですが、保証人無しの時は注意が必要です。
保証人無しの場合は、属性を重視する傾向にあります。特に国民健康保険や、これから働く内定状態の人、バイトや自営の方は審査が非承認となるケースを度々経験しています。
LICC系の保証会社が落ちる人はこんな人
どの保証会社も利用した事がなければ、保証人有で基本的には承認取れます。無しの場合は上記の通り、五分五分なので、別の保証会社も検討出来る物件なのかを確認しておくといいでしょう。
過去のLICC系の保証会社をどこかを利用していれば、履歴が残っていますので、優良として契約をおえていれば次の審査は気になる事はありません。
逆にどこかの保証会社で滞納などの傷がついてしまうと、LICC系の保証会社全滅となってしまいます。 全保連が特にそうなのですが、 今、保証会社のシェアというとLICC系が半分以上を占めているといっても過言ではありません。
なのでLICC系に傷がつくと半分以上の物件を諦めないといけない可能性が出てくるという事です。ま、、ほとんどの物件で滑り止め保証会社を採用しているのであまり気にしなくていいかもですが。
信販系の保証会社
全体のシェアで言えば1割以下になると思いますので 需要はそんなにないのですが、審査が一番厳しいのがこの信販系保証会社です。
LICC会員
オリコフォレントインシュア
あんしん保証
エポスカード roomID
セディナ
SBIギャランティ
関西VISA など
俗にゆう金融屋がそのまま保証会社をやっているという感じですよね。
家賃をクレジットカードで払えたり、家賃管理がしやすかったりと家主さん側にも多少なりともメリットがありますが、いかんせん審査がキツイ。、、。正直言って不動産屋的にはいきたくない、、 だって、案内前に「あなたブラックですか?」なんて聞けないじゃないですか普通。いや、僕は聞くけど。笑
信販系保証会社の審査基準とは?
上記にも書いている通り、キツイです。少しでも不安要素に思い当たる人がいれば、アウトと思って貰う方がいいでしょう。
あれですね。クレジットカード作れる人は通りますし、作れない人は否決になる。という事です。
CICなどの信用情報を引っ張って審査をするのでローン、携帯の割賦などの状況も見られます。この辺に傷があれば、もれなく非承認になります。
ブラック、自己破産、債務整理、この辺はもれなくアウト、という事ですね。
また何処も、保証人は不要としている事が多く、より本人の属性を重視している審査を行っているとかんがえる方が妥当です。審査前に源泉の提出を求められたり、社会保険証の提出を求められたりします。
ですが、逆を言うとLICCの情報は参照していません。 なので、過去にLICC系の全保連で滞納を起こして裁判までしちゃった。っていう人でも 信販系に傷がなければ審査は十分に承認を取れる内容となる訳です。
保証会社の審査、こんな場合は?
では、ここからは、保証会社の審査を行う上での色々なパターンを見ていきましょう。
収入と家賃の割合は重要?
会社の属性や年収は重要?
保証人無しの場合は?
バイトや自営フリーランスの場合は?
生活保護の場合は?
ブラックリスト&債務整理&自己破産の場合は?
保証会社アレコレ
審査ってどれくらいかかるの?
審査は概ね1-2日程度です。基本的には本人確認の連絡が取れれば その日中でも合否の通知が来ます。なので、電話がつながらない、折り返しがないという場合はいつまで経っても審査が出ません。ちなみにまだFAXでのやりとりをしている所も多いので番号がつぶれて別の所へかけていた。なんていうケースもあります。
審査が始まってあまりに電話確認が遅い場合には担当者の番号の再確認などをする方がいいでしょう。
連帯保証人が居る場合はこちらも確認が入ります。近年は勤務先への確認はあまり入らないように聞きますが、100%ではないようです。一応確認できるようにしておくとベターです。